5-3.親権の変更


離婚する際に、未成年の子供がいる場合は親権を父親・母親どちらかにしなければなりませんが、その後、何らかの事情で親権者を変えたいという場合、変えることができるのでしょうか?

 

親権者の変更はできる

一度決めてしまった親権は変更はできますが、簡単にはできません。父母のお互いが合意していたとしても変更には家庭裁判所の許可が必要です。

親権者の変更をする場合は、家庭裁判所に親権者変更の調停・審判申立をして下さい。裁判所では子供の利益を最優先に考え、親権を変更するのが妥当かどうか判断します。

 

親権者が死亡した場合

親権者が死亡してしまった場合、もう一方の親がそのまま親権者になるわけではありません。

民法838条の1には「未成年者に対して親権を行う者がないとき、又は親権を行う者が管理権を有しないとき」に後見を開始するとあります。遺言で未成年後見人が指定されているときはその人が、遺言がない場合は子供またはその親族、その他利害関係者が家庭裁判所に未成年後見人選定の請求をして、家庭裁判所が未成年後見人を指定します。

もし、一方の親が生存していて親権者を変更したいのであれば、後見が開始される前に、家庭裁判所に親権者変更の審判申立をすることで親権者を変更することができます。後見開始後の親権者変更も認められるようですが、場合によっては認められないこともあるのでできれば後見開始前に申立をした方がよいかもしません。

 

親権者変更の申立をするには

相手方の住所地を管轄する家庭裁判所か双方が合意した家庭裁判所に申立をします。申立をできるのは、父母の他に子供の親族からだけで子供から申立をすることはできません。申立をするには以下の物が必要です。

・「親権者変更の申立書」1通、申立人・子の父母の戸籍謄本、子の戸籍謄本それぞれ1通ずつ
・対象となる子供1人につき900円の収入印紙と連絡用の郵便切手

 

変更が認められた場合は

家庭裁判所から許可が出たら調停調書謄本または審判書謄本と入籍届を市区町村役場に提出して下さい。子供の本籍または親の本籍でない場合は、それぞれの戸籍謄本が1通ずつ必要です。いずれかの本籍の場合は、もう一方の戸籍謄本が必要です。親・子供共同じ本籍の場合は必要ありません。

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